2008年04月23日

一ヶ月ちょいで日本語上達とは?

 この日昼の炎熱猛暑の中をバイクでサムーン郡のサムーンの町まで走らせる。途中で引き返したくなるほどの熱風で往生する。なにもこんな猛暑の昼前に出掛けなくとも・・・と思うのだが、顔見知りの日本の方に是非とも会っておかねばならなかったので・・・

映画「デック/子供たちは海を見る」

 しかし、サムーンにいるはずのその日本の方はすでに帰国しておらず、その方の仲間の日本の方が一人残っていた。
 会いたかった日本の老人Sさんは、サムーンで日本語を学びたい貧しいカレン族高校生らを、組織も支援団体もなくSさんが全責任持っての個人支援を。もっとも、Sさんの奥さんも一緒にこのボランティアをやっているのはいうまでもない。

 S老人はタイの学校の長期休業の4月と10月の年2回だけやってきて、ほぼ1ヶ月間休みなしで朝から夜までみっちり日本語を教える。テストを毎日行なうなど、まさしくハードな勉強の毎日。S老人の奥さんは多趣味の持ち主で、日本文化をみっちり教え込む。

 年に2回それぞれ1ヶ月ほど日本語を教えるのだが、それだけの支援ではない。サムーンの高校に通うには、不便な山村出身のカレン族生徒は高校のあるサムーンの町に下宿しないと通学できない。

 そこでS老人は、日本語を学びたい生徒用に小さな家を借りて、そこで生徒達だけで寮生活させて、高校に通うのを支援している。もちろんカレン族の生徒達の寮費も毎日の食費もS老人が個人負担での支援。それだけでなく、高校を卒業して大学に進学した教え子には里親として4年間継続して生活費を支援している。この生活費支援には、S老人への支援者も出てきており、その支援金も大学生の生活費を支えている。

 そんな気骨あるS老人の個人ボランティアだが、老齢による体力の衰えなどで、長年続けてきた日本語ボランティアも今回の4月が最期とのこと。そこで、どうしてもお会いして、あれこれとお話したかった。それがS老人の一足早い帰国で会えずじまいに。

 お邪魔した生徒寮だが、S老人の姿はもちろんなかった。しかし、初々しい十数人のカレン族の女子高校生がおり、日本語を勉強の最中であった。
 S老人の早い帰国を受けて、その後の日本語教育をたった一人で任されていたNさん。そのNさんの話を聞いて嬉しくなった。というのも、S老人は今回が最期としてサムーンにやってきたのだが、メートー学校の校長先生がそれを大きく変えてしまった。

 というのも、メートー学校の校長先生が「この女子高校生らが是非ともSさんから日本語を学びたいと熱望しています。どうか教えてください!」と、十数人の女子高校生を連れてきてしまった。
 
 S老人とメートー学校の校長先生は親しい友人関係で、S老人は断りきれずに、あと3年間だけは日本語教育を続けることになったとのこと。
 「Sさんにはあと3年頑張ってもらわないといけませんが、考えようでは、Sさんにまた目標が出来てよかったかもしれませんね!」と、Nさんは語る。ということで、S老人は10月にはまたサムーンに日本語を教えにやってくることに。

 ちなみに新しいメンバーの女子高校生十数人は、一人を除いて皆カレン族でメートー公立小中学校出身。そのメートー学校といえば、日本でも話題を呼んだタイのドキュメンタリー映画「デック/子供たちは海を見る」の子供たちの出身学校(その映画の公式HPはココをクリック)。そこのメートー学校の校長先生とS老人は長年親しい友人関係。

 Nさんのまた聞きの話だが、「デック/子供たちは海を見る」の映画が日本で上映。その映画の舞台となったメートー学校。その学校出身の貧しいカレン族生徒たちをS老人が個人的に支援。それを知った日本の方から、有り難い支援金が来るようになったとのことで、S老人は大変有り難いと感謝しているそうである。

 それにしても、日本語を習い始めて1ヶ月ちょっとなのに、彼女たち女子高校生の日本語の上達ぶりには目を見張らせるものがある。すでに平仮名、カタカナは完全にマスターして、読み書きできる。ごく簡単ではあるが典型的な日常会話も話せるのである。

 S老人は生半可な日本語教師ボランティアはお断りしている。あくまで、日本語を教える教則をちゃんとマスターした方でないと、ここでの日本語教育のお手伝いは断られる。

  以前Sさんから依頼されたことがある。本当は1ヶ月間休みなしで一緒に日本語を教える気概のある日本の方がいれば助かるのですが・・・と。もちろん、チェンマイ空港からサムーンまでの送り迎えは無料、サムーンで教えている期間の宿泊と食事も無料という恵まれた(?)ボランティアですけれど。
 {注:上記のNさんより以下の訂正がありました。以下に訂正してお詫びします。/ボランティア費用は発足当時、宿泊,食費共に無料でしたが今は子供たちの食事の一部を含め実費となっておりますのでお知らせいたします。だいだい日本食5000円分と滞在費5000バーツくらいです。}

 まあ、条件をクリアーできる方で、10月の1ヶ月間サムーンでS老人と日本語を朝から晩まで教える方はいませんか? 期待しませんが、もし希望する方がおられましたらご一報下さいね!
posted by 新明天庵 at 23:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 北タイ暮らしの日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
とてもいい話で感動しました。どなたか良きボランティアが現れることを願っております。
Sさんの支援について、どんな方法があるのか知りたいです。「CHAO」にでも記事にして取り上げてもらえませんかね。
Sさんのような日本人が沢山現れて、タイの人々に貢献できたら素晴らしいことだと思います。それらを記事にして紹介してくれる新明天庵さんにも大きな拍手を!
Posted by akira at 2008年04月25日 20:13
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